精神系薬剤による口渇対策について
抗不安薬、抗鬱薬の服用による抗コリン性の口の乾きで困っている患者さんを結構な数、目にします。
日常的に頻繁に処方される抗不安薬でも、2, 3剤の併用でかなりの口渇が発生することはよくあることです。
そういった時に具体的に提案できる対策法をまとめてみました。
1. 物理的に唾液腺を刺激する
場所は名前のとおり、耳たぶの下あたりです。
実際に左右両方の耳下腺を指でやさしくぐりぐりしてみると、唾液がじんわり出てくるのを実感できます。
2. シュガーレスのガム、飴でごまかす
すぐにできますが、当然一時的な対策です。
血糖上昇の観点から、できるだけ人工甘味料系のものを選んだ方がいいと思います。
3. 市販の口渇対策グッズを勧める
市販の口腔ケア製品がおすすめできる。スプレータイプが1.5時間、ジェル製剤だと5~8時間ほどの効果が持続するようです。
手っ取り早く、かつ効果の高い方法であり、どんな方にでもおすすめしやすいです。
マウスピュア® 口腔ケアスプレー | 川本産業株式会社-えがおを、ずっと。えがおに、ずっと。 から引用
4. ドライマウス外来に対応した口腔外科を紹介
市販のスプレー製剤などで無効、また耳下腺マッサージが実行できない不整脈患者などでは、口腔外科に相談して唾液分泌製剤などを使用したほうがいいかもしれない。
具体的な薬剤名だとサリベート、サリグレンになる。
ただ上記の製剤の適応疾患が
- シェーグレン症候群による口腔感想
- 放射線治療の結果、唾液腺が障害されたことによる唾液分泌障害
の二つとなるため、保険適応で手に入れるのはもしかすると難しいかもしれない。
TEIJIN Medical Web 帝人ファーマ株式会社 製品情報より引用